2018年7月6日金曜日

自転車業界の闇(OEM)

OEMって知っていますか?

OEMとは「original equipment manufacturer」の略称で、設計・デザインは販売するメーカーが決めて、生産は別会社にお任せするという、製造委託のことです。
自転車メーカーでは、これがかなり顕著。
(ロード乗りの皆さんならご存知だと思いますが・・・


結論から言うと、それが悪いことではないと思います。
『餅は餅屋』です。



OEMのメリット/デメリット

<メリット>
極端に言えば工場を持たないでもメーカーとして成り立ちます。
設備投資も不要で、相手を選べば常に最新設備が導入された工場で生産を行うことができます。
自社は研究開発に注力すればよいのです。

<デメリット>
販売の上振れ/下振れの対応が難しいことです。
思いのほか売れまくっても増産をかけられるのは半年後だったり、逆に全然売れなくても発注はしてしまったのですぐに減産はかけられず、在庫を抱えまくるハメにもなります。
また、製造技術/生産技術はOEMメーカーのブラックボックス化するので、「その性能を出すためにはコストがかかりますよ」と言われても反論ができにくい。

自転車業界のOEM委託先メーカー

GIANT、MERIDAなんかが有名なOEM委託先メーカーですね。
元々OEMのみを行っていたメーカーですが、OEMで製造技術/生産技術/設計・開発技術が向上したため自社ブランドを立ち上げて、今に至ります。
つまり、OEMで他社生産を請け負いつつ技術力を養い、さらにその技術を自社ブランドにも生かしているという掛け算的な企業に育っています。

コストパフォーマンスの良い自社ブランド品が提供できるのはこのためです。

自転車業界のOEM委託元メーカー

TREKはTOPカテゴリーのみは自社製造、SPECIALIZEDは完全OEM委託メーカーだったはずです。
どちらも研究開発に心血を注ぎ、製造は他社にお任せというスタンスです。
2社の理論値を実現しているのはOEM委託先のメーカーという事実。

MADE IN TAIWANが、自転車業界では高品質の証とされる一因ですね。
(ちなみに、GIANTやMERIDAもグレードの高い商品は台湾国内で、グレードの低い商品は中国で生産しています、ザックリい言えば)

一方、ママチャリは?

正直、3万円以下のママチャリは中国産がほとんどです。
もっと言うなら、フレームはほとんど中国産で、国内生産のフレームはかなり少ないと思います。
電動アシスト自転車は、フレームは中国産がほとんどだと思いますが、組立は国内です。

RMZは国内生産フレーム

これ、ちょっとした自慢ですw
ブリヂストンサイクルでカーボンパイプを接着して作られたフレームを、ブリヂストンサイクルで塗装しています。
そのカーボンパイプはどこから来ているのかは・・・分かりませんが。

OEMでも良いものは良い

冒頭にも書きましたが、OEMは悪いことではありません。
コストパフォーマンスを考えた時に、最適な生産場所を選んでいるに過ぎません。

最高の研究開発により最適な設計・開発を行い、最高の生産/製造技術で生産する。
適切な分業ですよね。

タイトルに「闇」なんて書きましたが、こんなことは大っぴらにしてしまえばいいのにと思っています。
消費者も薄々分かっていることですしね。

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